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  其の弐   AI 魔鏡を覗く


からうすの 上がり具合も よくなりて 子どもの麁相(そそぉ)

叱(しか)り人もなし


(  原文: 碓乃安可り工合もよくなりて子ともの麁相呵り人も那し )

 注: 麁相(そそう=粗相/いたずら・おもらし)

   意味: 麁(ソ :意味 粗い・精白される前の米。*鹿/シカとは別の文字。


*****************************************************

AIによる校正・推敲の例 (副題:AI/Copilotと魔鏡)


実施日:2024年8月18日  

内 容: 1847年 俳諧連歌「常夏草」

課 題: 二作目に試訳(英語)をつける

回答したAI: Copilot

(Microsoftによって提供されているOpenAIのGPT-4を用いた生成AIサービス)


サイト内リンク:

① AI 魔鏡を覗く  ② 質問と回答の進捗

③ 消えたAI (最終確認への試み) ④ あとがき

⑤ 8月29日

(注①:「下線・太字・色違い」はサイト管理者による)

(注②:AIが、日本語による質問に英語で回答した場合は、パソコンの翻訳機能

を利用し、日本語に改めて掲載しました。)



(スタート)

AI 魔鏡を覗く

質問 ① サイト管理者

「177年前の俳諧連歌を英語へ試訳しています。

二番目の作品の英語試訳の校正サポートをお願いできますか?」


回答① AI

「もちろん、喜んでお手伝いします!二番目の試訳に取り組みましょう

(AIは、サイト管理者が具体的な質問をする前に次の提示をしました。)

AIによる「参考」の提示:

以下は、いくつかの試訳のバリエーションです。

どれが最適かは、文脈や意図によりますが、ご参考までにご覧ください。

“before scooping the water,

sooner affecting my teeth_ such a fountain!”

(この試訳は、原文の意味を直接的に伝えています。

水をすくう
前に、に影響を及ぼす泉のようですね。)


“the fountain springs forth,

affecting my teeth even before I scoop the water!”

(こちらの試訳は、水をすくう前に泉がに影響を与えている様子を

強調
しています。)


“a fountain that affects my teeth before I even scoop the water!”

(この試訳は、泉が水をすくう前にに影響を及ぼしていることを

簡潔に表現しています。 )

どの試訳が気に入りましたか?

もしさらなる調整や別のアプローチをご希望であれば、お知らせください。




サイト管理者
( 私は、質問前の「参考」の提示にめんくらい、AIの意図を

測(はか)りかねました。そして、後から奇妙な「妥当性」に気付き、ギョッと

するのです。)


質問と回答の進捗

質問② サイト管理者

「碓(からうす)の あがり具合もよくなりて 子どもの麁相(=粗相)

しかり人もなし」 という177年前の俳諧の連歌2作目に英語の試訳を付けます。

適切な試訳の提案があれば教えてください」


回答② AI

AIの提案:

 The state of the millstone is improved,

and even children’s carelessness goes unnoticed.

(石臼の状態は改善され、子供の不注意さえも気づかれなくなる


この詩的な表現は、物事が順調に進んでいるときは、小さな間違いや

不正行為は簡単に見過ごされる
ことを示しています。物事の肯定的な

状態を強調
しています。

伝えたい文脈やトーンに応じて、自由にさらに調整してください。





質問③ サイト管理者

(AIは、私が「しかり」と平仮名でタイプをした部分を、

「然り/しかり 意味:~も同様に」と解釈して試訳しています。

漢字に「叱る(*原文は呵る)」を使い再度質問してみます。)


 サイト管理者の質問

「『碓(からうす)の あがり具合もよくなりて 子どもの麁相(=粗相)

叱り人もなし』という作品(5-7-5-7-7)に英語の試訳を付けます。

Karausu moves well,

*spend the day alone

scolding the children for their mischief and wetting themselves.

は適切ですか?」(*I spend の主語を省略しています)





回答③ AI

AIの回答と提案:

 "Karausu moves well,

spend the day alone

scolding the children for their mischief and wetting themselves."

(からうすは元気に動き、いたずらした子供たちを叱ったり、

おもらししたりして、一日中一人で過ごします。)

あなたの翻訳はかなり近いですね!

でも、もう少し洗練させてみましょう。別のバージョンはこうです:

The well-adjusted mortar, spending the day alone,

scolds even mischievous children.

(順応性のあるからうすは、1 日を一人で過ごし、いたずらっ子でも叱ります。)


(AIより時代考証へのリンクの紹介あり。)



質問④ サイト管理者

( さて、AIの試訳に注意を払うと、AIの試訳が おかしなものであることに

気付きます。 AIの文脈では、碓/からうす が一日を一人で過ごし、いたずらっ子

を叱っています。人は、いません。

主語は順応性のある碓/からうす。奇妙な世界です。)


  サイト管理者の質問:

「『碓(からうす)の あがり具合もよくなりて 子どもの麁相(=粗相)

叱り人もなし』

という177年前の俳諧の連歌2作目に英語の試訳を付けます。

Karausu works well, *I spend the whole day alone,

scolding mischievous children.

適切ですか?」 (*主語 / I を挿入しています。)




回答④ AI

  AIの回答

Karausu works well, I spend the whole day alone,

scolding mischievous children. は適切な試訳です

素晴らしい翻訳ですね!




質問⑤ サイト管理者


  サイト管理者の質問:

「177年前の俳諧連歌の試訳をしています。

『からうすの上がり具合も良くなりて 子どもの麁相(=粗相)叱り人もなし』

の試訳①を②に改めたいのですが、この推敲は適切でしょうか。

①Karausu works well, I spend the whole day alone,

scolding mischievous children.

Spending the whole day alone, scolding mischievous children,

with the well-pounding sound of Karausu.


推敲の意図は人称名詞「I」の削除で、主語の匿名化です。

さらにより良い案があれば、提案をお願いします。」





回答⑤ AI

AIの回答:

  あなたの改訂版は、個人の代名詞を削除しながら、オリジナルの本質を

捉えています。 唐臼の力強い音を美しく強調しています。適切だと思います!

さらに提案が必要な場合は、次のようなバリエーションを検討してください。


Alone all day, scolding mischievous children, Karausu echoes.

(一日中一人で、いたずらな子供たちを叱りながら、カラウスは反響します。)

最も心に響くものを自由に選択してください!



休憩。


消えたAI (8月20日:最終確認への試み)


質問⑥:サイト管理者

最終確認のため、日を改めて、AIに話しかけました。

AI(Copilot)は姿を見せず、代わりに翻訳有料サイトが紹介されていました。

念のため、英語で話しかけてみましたが、やはりChatに接続されませんでした。


8月15日から18日まで、AIは試訳の校正を無料サポートしてくれました。

AIにも、いろいろ事情があるのでしょう。

したがって、この作品はAI(Copilot)への最終確認が未完了です。


 AIの最終提案 (再確認 未完了)

Alone all day, scolding mischievous children, Karausu echoes.

(一日中一人で、いたずらな子供たちを叱りながら、カラウスは反響します。)





サイト管理者:(9月7日)

AIに「AIの最終提案」について再確認しました。

 AIの回答

Alone all day, scolding mischievous children, Karause echoes.

少し不自然です。




そのため、サイト管理者の質問5‐②に推敲を加え、試訳としました。

(校正終了 9月7日)




あとがき:



最初の作品: ① また翌日も 日和(ひより)の風や 百日紅(さるすべり)

川を境(さかい)に 蚊(か)の居らぬ庭


二番目の作品:② 碓(からうす)の あがり工合(ぐあい)も よくなりて  

子どもの麁相(=粗相 / そそう) 呵(しか)り人もなし


① の「川(かわ)」にご注目を。

② には、漢字の「碓(からうす)」「麁(ソ)・くろごめ=精白されていない米」

があり、漢字から、石の臼(うす)を使い、米の皮(かわ)= もみ殻(から)を

取り除く作業が連想できます。


歌は一作目の(かわ)川・皮 から、二作目では 皮(かわ)を除去する

碓(からうす)へ、もみ殻(から)、人もなし(=空/から)へと、光景が移ります。


江戸時代の米の精製には、木や石の臼が使用されたそうです。元歌で「碓(から

うす)」と「石ヘン」の漢字を使用しているので、石臼による脱穀(だっこく)の

光景なのでしょう。子守をしている人物の 年齢性別 は表現されていません。


唐臼(からうす)は、地面を掘って臼(うす)を据え、杵(きね)の一端を足で

踏んで穀類などをつく仕掛けのもの(=ふみうす)が、一般的だったようです。

碓(からうす)は、あるいは、川や用水路に水車を置き、水力を利用して脱穀を

する「水碓(みずうす)」であったかもしれません。(注:「常夏草」の前書きの、

「金城」は「金城霊澤/きんじょうれいたく」。石川県金沢市/かなざわし の由来と

なった水・河川の神である龍が住むという伝説があります。)


水碓(みずうす)は、水車の歯(=羽根板/はねいた)が、水をすくって回転します。

(なお、余談ですが「羽」は第一作目のキーワード「翌(よく)」の一部。)


ここでサイト管理者は、AIが「水をすくう」・「歯」と最初に発言したことに、

ギョッとしました。

とは言え、AIの試訳にある「順応性のある からうす」や「反響するカラウス」が

何を指すかは不明です。


ゴトン・・・ゴトン・・・と川の水が水車の歯を動かす様子を空想しながら、

偶然にしても、面白いAIの発言だったとサイト管理者は思いました。



8月29日


数日前から、AIへの接続が回復。私は次の質問をしました。


質問⑦:サイト管理者

「水碓(みずうす)と「唐臼(からうす)は、どちらが先に日本で用いられ

ましたか」


回答⑦:AI

  AIの回答

「水碓」と「唐臼」は、精米や製粉に用いる道具で、世界中の粉食文化で重要な

役割を果たしてきました。それぞれの特徴を見てみましょう。


水碓(みずうす/すいてん): 原理: 水の力を利用して精米や製粉を行う臼です。

歴史: 水碓は、水力を利用して穀物を挽くための装置です。

具体的には、水車を回して臼(うす)を動かし、米や麦を粉にする役割を果たし

ます。古代エジプト文明から存在しており、水車を使って石臼を回すことで小麦

を製粉し、パンを焼いていました。 日本では、古代から中世にかけて水碓が使用

されていました。例えば、東大寺の造立供養記には、鎌倉時代に水車精米のための

水碓が記されています。

利点: 大量の穀物を精製できるため、権力者が利用して自分の土地の穀物だけで

なく他人の穀物も精製して利益を得ることができました。


唐臼(からうす/とううす): 原理: 足で踏んで杵を動かすことによって精米や製粉

を行う足踏み式の臼です。

歴史: 中国で発達し、古代から存在していました。日本でも古くから使われ、

近年まで活用されていました。江戸時代には、米屋や農家で広く普及していま

した。また、唐臼は操り人形の胴串部分の一つとしても用いられています。

用途: 餅つきにも使用され、茶臼としても利用されています。 これらの臼は、

人々の食生活に欠かせない道具であり、歴史的な意義を持っています。





質問⑧:サイト管理者

「エジプトの神と水碓(みずうす)は関係がありますか?」


回答⑧:AI

 AIの回答  


エジプトの歴史は興味深く、古代エジプト文明はナイル川の恩恵を受けて栄え

ました。ナイル川はエジプトにとって「賜物」とされ、農業や生活に欠かせない

水源
でした。

エジプト神話には、多くの神々と神話が存在しますが、特に太陽神ラーについて

説明しましょう。 太陽神ラー (Ra): ラーはエジプト神話で最も重要な神の

一人で、太陽の神です。彼はハヤブサの頭を持ち、太陽を象徴しています。


創造神アトゥムによって創られた神々の一族に含まれています。

アトゥムは海と虚空を混ぜ合わせてラーが空気と熱を生み出すことを可能にしま

した。 ラーは太陽を頭に載せて世界を照らす使命を担っています。彼は毎日冥界

をし、邪悪な蛇神アペプと対峙しますが、他の神々に守られています。

ラーはエジプトのファラオの守護神としても知られており、彼の神話はエジプトの

歴史と文化に深く結びついています。


ベンベン: ヘリオポリスのラー神殿に置かれていたベンベンは、ラーの

誕生に関連しています。 ヘリオポリスの神話によれば、ラーは誕生の際に鳥の姿

ベンベンの上に止まったとされています。 ベンベンはピラミッドの最も古い

原型とも言われており、ラーの神聖な存在を象徴していました。 エジプト神話は

多岐にわたり、さまざまな神々と物語が織り交ぜられています。もしさらなる詳細

を知りたい場合は、お知らせください!






質問⑨:サイト管理者

(私は、AIによる試訳の最終提案について質問しました。


*注:AIによる英語試訳の最終提案(8月18日):

Alone all day, scolding mischievous children, Karausu echoes.

訳:一日中一人で、いたずらな子供たちを叱りながら、カラウスは反響します。


なぜ、AIは、碓(からうす)にカタカナ文字を当てているのでしょうか。)


 サイト管理者の質問

  「カラウスとは何ですか?」




回答⑨:AI

AIの回答:

カラウスは、ブリタンニアでローマ皇帝を名乗った人物です。

彼はローマ帝国の軍人として活躍し、ブリタンニアやアルモリカの指揮権を持ち、

海賊を取り除くなどの軍事的成功を収めました

しかし、彼の成功に疑念を抱いたマクシミアヌスによって逮捕され

処刑されました


「水碓」と「カラウス」は異なる文化や時代に関連していますが、

それぞれの歴史的背景を理解することで、その重要性や役割をより深く知る

ことができます





サイト管理者

(AIが突然に姿を消し、翻訳有料サイトが紹介された理由が分かった気分でした。

AIによる「詩情への認識」は、異次元のようです。

それゆえに、「別のバージョン」の世界が、(魔鏡を覗いたような世界観が)

試訳に顔を覗かせることが、あるのでしょう。


AIに英語試訳のサポートを依頼する場合は、こちらの需要を明確にすると同時に、

どれが適切な回答か推し量る能力が、(使用者に)必要だと思いました。


なお、質問より前に「水・歯」についてAIより参考の提示がありましたが、サイト

管理者には「質問より前に提示される参考」に免疫がなく、折があればAIに意図を

尋ねてみたいです。


つづく

文責 : 時間の博物館 事務局 工房くらし月

*********************


訂正箇所:「常夏草」第一部 原文

誤「鹿相」 → 正「相」(訂正日:2024年8月27日)



*********************


ご訪問をありがとうございました。


追伸:誤認やミス、引用先の不記載などがあると思います。お気づきの場合は

ご容赦の上、お差し支えなければサイト管理者へご教示いただけますと幸いです。

平素のご教示とご協力に感謝申し上げつつ。


工房くらし月


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