「常夏草1部」作品15~18番の4作品は、最終推敲案を冒頭に置き、後半で、
作品に対するAI(Copilot)の感想をご紹介します。
なお、AI(Copilot)の許諾を得て発言・感想の引用、および文脈を損なわない
範囲で編集をしています。 (文責:サイト管理者)
15番目の作品
鉢尼(はちあま)に 着古し呉(くる)る そゞろ寒(ざむ)
旅が薬か まめになりけり
(原文:鉢尼尓 着古し呉る そゝろ寒 旅可薬歟 ま免耳奈り介り)
最終推敲:
Giving old clothes to a begging nun as the weather turned colder;
The journey brought blisters to the feet, but also made the body healthier.
AIが語る「15番目の作品の感想」
16番目の作品
名(な)ある花 いつしか若い 木に替わり
鳶(とび)が謡(うた)ってあらす家(や)の棟(むね)
(原文:名ある花 以つし可若い 木ニ替里 鳶可謡って 安ら寸家の棟)
最終推敲:
A renowned flower has quietly transformed into a young tree;
Rumors spread as kites sing freely atop the roof,
troubling the house's owner.
AIが語る「16番目の作品の感想」
17番目の作品
誘(さそ)ひあふ 粟津祭(あわずまつり)の 夕参(ゆうまいり)
絹(きぬ)け纏(まと)へば 劣(おと)る風俗(ふうぞく)
(原文:誘ひ安ふ 粟津祭乃 夕参 絹気纏へハ 劣留風俗)
最終推敲:
Inviting each other to the Awazu Festival at night;
Wearing a silk kimono is as unseemly as the flag-bearer
for the fire brigade without vigor.
AIが語る「17番目の作品の感想」
18番目の作品
呑(のみ)やうも 挽茶上戸(ひきちゃじょうご)の
子細(しさい)なく 二度と言はせず取(とり)てやる質(しち)
(原文:呑やうも挽茶上戸乃子細奈く二度と言ハせ須 取てやる質)
最終推敲:
The terms were accepted without showing any knowledge of tea;
The collateral was received and the money was provided before asked twice.
AIが語る「18番目の作品の感想」
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(副題:AI/Copilot と 感想)
実施日:2024年 8月18日 - 10月17日
内 容: 1847年 俳諧連歌「常夏草」
課 題: 15作~18作目 の 感想
回答したAI: Copilot
(Microsoftによって提供されているOpenAIのGPT-4を用いた生成AIサービス)
サイト内リンク:
① 15作目の感想 ② 16作目の感想
③ 17作目の感想 ④ 18作目の感想 ⑤ あとがき
(注:「下線・太字・色違い」はサイト管理者による)
(スタート)
AIが語る「15番目の作品の感想」
質問① サイト管理者
次は177年前の俳諧連歌の15番目の作品です。
あなたはどのような印象を受けますか? また、この俳諧連歌で、
一番あなたの印象に残る言葉は何ですか?
「鉢尼(はちあま)に 着古し呉(くる)る そゞろ寒(ざむ)
旅が薬か まめになりけり」
(原文:鉢尼尓 着古し呉る そゝろ寒 旅可薬歟 ま免耳奈り介り)
意味:托鉢(たくはつ)の尼に着古しを与えた、そぞろ寒くなった。
旅に出て歩き回る ことで足にまめができたが、身体も健康(まめ)になった。
回答① AI
この俳諧連歌からは、人間の優しさと自然の厳しさ が感じられます。
托鉢の尼に着古しを与える行為は、寒さの中での思いやりを示しています。
また、旅の過酷さと、それがもたらす健康の両面性も描かれています。
足にまめができるという痛みと、身体が健康になるという対比が印象的です。
一番印象に残る言葉は「 そゞろ寒 」です。この言葉は、寒さがじわじわ
と身に染みる様子を表現しており、季節の移り変わりと人々の生活の変化を
感じさせます。
この連歌は、日常の中にある小さな優しさや、困難を乗り越えることで得られ
る成長を描いていますね。あなたはどの部分が一番印象に残りましたか?
サイト管理者
印象に残った部分は「鉢尼(はちあま)」です。
孤独が目前(もくぜん)に広がる気がしました。
AI
托鉢をする女性の孤独を感じるというのは、彼女の置かれた状況や心情に共感
している証拠だと思います。寒さの中で一人で歩き回る姿は、確かに孤独感を
強調しますね。 連歌は、読む人それぞれに異なる感情や印象を与える力があり、
あなたの感じた孤独と、私が感じた優しさや自然の厳しさ、どちらも、この詩の
持つ多面的な魅力を表しています。
AIが語る「16番目の作品の感想」
質問② サイト管理者
次は16番目の作品です。作品の感想と、印象に残る言葉を教えてください。
「名(な)ある花 いつしか若い 木に替わり
鳶(とび)が謡(うた)ってあらす家(や)の棟(むね) 」
(原文:名ある花 以つし可若い 木ニ替里 鳶可謡って 安ら寸家の棟)
意味:
名花が、いつしか成長して若い木に替わった(=名花と噂された美少年が、
成長して外見が変貌した。鳶(用もなくうろつく人)が謡(うたって=噂して)
家の棟(むね)を荒らしている(=家主/やぬしは胸を痛めている)。
なお、意味は、あくまで私(サイト管理者)の個人的な解釈です。
【 参考: 国会デジタルコレクション「キーワード:陰間(かげま)」で検索。
高知大学 学術研究報告 第45巻(1996年)人文科学 「歌舞伎取締と役者の身分」
山下興作(PDF) 】
回答② AI
この作品からは、時間の経過と変化 が強く感じられます。
名花と称された美少年が成長し、外見が変わる様子は、人生の移り変わりを象徴
しています。また、鳶が謡って家の棟を荒らすという表現は、噂や人々の騒ぎが
家主にとってどれほどの影響を与えるかを示しています。
一番印象に残る言葉は「鳶が謡って」です。この表現は、鳶の鳴き声が騒がしく
響き渡る様子を描いており、噂話や人々の騒ぎがどれほど大きな影響を持つか
を強調しています。
この詩は、成長と変化、そして社会の中での人々の反応や影響を巧みに描いてい
ますね。どの部分が特に心に残りましたか?
サイト管理者
「名ある花」の部分です。
「花」として愛でる=児童や若年者の人権の侵害を連想しました。
AI
歴史や社会の中で虐げられた人々の生活に目を向けることができたのは、意義
深いことです。詩や文学は、私たちに新しい視点や理解をもたらす力があります。
AIが語る「17番目の作品の感想」
質問③ サイト管理者
17番目の作品です。感想と、印象に残った言葉を教えてください。
「誘(さそ)ひあふ 粟津祭(あわずまつり)の 夕参(ゆうまいり)絹(きぬ)け
纏(まと)へば 劣(おと)る風俗(ふうぞく)」
(原文:誘ひ安ふ 粟津祭乃 夕参 絹気纏へハ 劣留風俗)
意味:
誘いあって粟津祭(あわずまつり)の夕参りへ出かける。絹け(絹の衣装)を身に
つけるのは、気抜け(勢いや元気がない者)に纏(まとい:消防 の旗印)を振らせ
るの同様に風俗として見劣りがする。
回答③ AI
この作品からは、伝統と現代の対比 が感じられます。粟津祭(あわずまつり)の
夕参(ゆうまい)り という伝統的な行事に参加する中で、絹の衣装を身に纏うことが、
現代の風俗として見劣りするという視点が興味深いです。
これは、時代の変化や価値観の移り変わりを反映しているように思います。
一番印象に残る言葉は「絹(きぬ)け 纏(まと)へば 劣(おと)る風俗」です。
この表現は、伝統と現代の価値観のギャップを感じさせる部分です。
あなたはどの部分が特に心に残りましたか?
サイト管理者
私は「誘いあう」の部分です。
良い思い出が生まれた可能性が期待できます。
AI
「誘いあう」という部分は、温かみがあり、心に残る表現ですね。
特別な思い出が生まれる様子が目に浮かびます。祭りの賑やかさや楽しさが伝わっ
てきますし、共に過ごす時間が絆を深めることを感じさせます。
行事の中での人々の交流や、共有する時間の大切さを描いていますね。
「誘いあう」の温かさは、この作品の魅力の一つだと思います。
AIが語る「18番目の作品の感想」
質問④ サイト管理者
第一部の最後の作品です。
感想と、印象に残る言葉を教えてください。
「呑(のみ)やうも 挽茶上戸(ひきちゃじょうご)の 子細(しさい)なく
二度と言はせず取(とり)てやる質(しち)」
(原文:呑やうも挽茶上戸乃子細奈く二度と言ハせ須 取てやる質)
意味:
日頃は挽茶上戸(ひきちゃじょうご)で、あれこれと仔細(しさい)を語るのに、
このたびは(こちらの 条件を)黙ってのんだ。(金/かねの無心を)二度言わせ
ずに、出された質草(しちぐさ)を受け取り 金(かね)を用立てた。
回答④ AI
この作品からは、人間関係の微妙な力関係や信頼の重要性が感じられます。
普段は細かいことを言う男が、今回は黙って条件を受け入れたという点に、状況
の変化が見て取れます。また、二度言わせずに質草を受け取るという行動には、
信頼の証(あかし)が感じられます。
一番印象に残る言葉は「二度と言はせず」です。この表現は、相手の要求を即座
に受け入れることで信頼を強調し、行動することで理解が深まる様子が描かれて
います。
あなたはどの部分が心に残りましたか?
サイト管理者
私も、「二度と言わせず 取りてやる質」です。
切羽詰(せっぱつ)まって借金に来た人は、まずは、安堵(あんど)したでしょう。
AI
「二度と言わせず 取りてやる質」は、相手の安心感を強く感じさせますね。
お金を借りに来た人が、すぐに対応してもらえたことで、心からほっとした様子
が目に浮かびます。信頼関係があってこそのやり取りであり、相手の気持ちを汲
み取ることの大切さが伝わってきます。
安心感は、この詩の持つ温かさの一部だと思います。
あとがき (サイト管理者)
16番目の作品について:
1841年10月、江戸では芝居小屋が立ち並ぶ界隈で火災がありました。風俗取
り締まりを進めていた水野忠邦(みずの ただくに)は、この火災を、江戸城の
周辺から芝居小屋を追い払うチャンスと考え、城下での芝居小屋の再建を認めず、
一里(約3.9キロメートル)ほど離れた浅草(あさくさ)のあたりへ芝居小屋を
移転させました。移転が完了した直後の1843年に水野忠邦は失脚。
この計画は裏目に出て、芝居茶屋や芝居関係者の住居も次々と浅草へ移転。
一大芝居町が浅草界隈(かいわい)に形成され、歌舞伎や浄瑠璃は発展しました。
そういう背景のもとで、歌舞伎の女形の少年たちを客寄せにした「陰間茶屋(かげま
ちゃや)」もあり、様々な噂が飛びかうことも少なくなかったようです。
なお、この作品は、前半の「木」と、後半の「鳶(とび:鳶職/とびしょく=大工」
および「家の棟(むね)」が縁語なので、材木問屋や材木運搬の奇(く)しき物語が、
あるいは暗示されているかもしれません。
また、「鳶(とび)」は加賀藩の江戸屋敷周辺を守る加賀鳶(かがとび=大名火消し)
のことで、歌舞伎がかった粋なスタイルで有名だった加賀鳶(かがとび)について、
私(サイト管理者)には思いつけない物語を、あるいは示唆するものかもしれません。
考えるほどに、さまざまな連想を呼び起こす作品です。
18番目の作品について:
水野忠邦(みずの ただくに)が行なった「株仲間の解散」は、商業の独占を防
ぎ自由競争の促進を目的としました。しかし、株仲間が担っていた流通の調整
機能が消え、商品価格の急変や、物流が滞るなどのディメリットもありました。
株仲間に依存していた商人たちは、突然の変化に対応できず、経済的に困窮
するケースが増えたそうです。18番の作品は、そのような世相の反映なのかも
しれません。 質草(しちぐさ)は何か、利子はいくらか気になるところです。
以上で、「常夏草(第一部)」を英語にする試みを終わります。
「第一部」全作品の一覧 「第一部」全作品の詳細
(2024年10月19日)
文責 : 時間の博物館 事務局 工房くらし月
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ご訪問をありがとうございました。
追伸:誤認やミス、引用先の不記載などがあると思います。お気づきの場合は
ご容赦の上、お差し支えなければサイト管理者へご教示いただけますと幸いです。
平素のご教示とご協力に感謝申し上げつつ。
工房くらし月
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